6×6 (Six times Six)

「とが……わ」

聞き慣れた悪友の声が、今日は少し硬い。真っ白なワンピースを着た野宮の頬は、少し紅潮していた。
僕の予想は、多分的中する。僕達は、もう『友達』ではいられなくなる。

「……何があったんだ?」
「……似合わないか?」
「……いや、良く似合っている」

にこーっと、文字通りの満面の笑みを返され、僕は面喰らってしまう。今日の野宮は、心臓に悪い。

「戸川」
「ん?」
「私の男になれ」

告白。
野宮らしい、唐突で、ぶっきらぼうで、直裁で、甘さの欠片もない告白。
でも、それが気に入った。こいつになら、独占されてみるのも悪くないかも知れない。モヤモヤと悩んでいたのがバカみたいに思えてきて、自然に顔がニヤけてしまう。

「オーケー、わかった。じゃあ相棒、今日は何処へ?」
「デートをするぞ。この街を隅から隅まで、だ。昨日は塔子おばさまに見せ付けられたからな。倍返しだ」

差し出す野宮の手を握る。少しだけ気恥ずかしい。少し早い鼓動は、それでも何故か心地よかった。

fin

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