恥ずかしい話

【2017/06/06 note.mu 投稿分】

私事だが、先日とある国家試験を受験した。
学科試験の当落については発表はまだ先だが、自己採点の結果、恐らく合格しているようだ。
現場系の資格なので、来月末には引き続き技能試験が待っている。
この試験のため、約半年に渡り、週1〜2回、終業後2〜3時間ほどの勉強会を行い、勉強してきた。

この試験は、僕が個人で受けたものではなく、会社で受けたものだ。
僕以外に、代表を含め4名が受験していた。
……はずだった。

試験の翌日出社したところ、試験を受けた4人のうちの一人であるはずの部長が

「いやー、参ったよ。試験会場行く電車で寝ちゃって乗り過ごしちまってさ……起きたら◯◯駅(彼の自宅の最寄り駅)でやんの! もう12:30過ぎてたし(試験は13:00〜)、もう間に合わないと思って行かなかった」

とのたまった。
この部長、そもそも勉強会での正答率がすこぶる低く、勉強が進むにつれてあからさまに落ちこぼれていき、途中からなんのかのと理由をつけては勉強会を休むようになり、資格が現場系のものである為、「こんなものは現場百遍でさ、資格なんてとっても実務経験ないと意味ないんだって!」とことあるごとに不要論を説いていた。

僕は正直「中学生か!」と思った。
いや、実際もっと酷い小学生レベルの言い訳だと思った。
彼のこれまでの行動言動から、試験会場に「行けなかった」のではなく「行かなかった」ことは明白だ。
百歩譲って、彼が「この資格は不要である」という自分の主張を通す為に会えて試験を受けなかったと言ったなら、それはそれで彼の中の一つの筋を通したのだなと思うこともできた。
だが実際は、「寝過ごして行けませんでした」という情けない嘘。
うん、嘘なのだろう。
多分彼は、試験会場に向かう電車に、そもそも乗っていないのだと思う。

事前に彼は社長から、
「◯◯部長は多分(このままだと)試験に合格できないと思う(ので、勉強会に出てください)」
と言われたと、僕に憮然として話した。()内は、部長が語っていなかった、恐らく実際にはあったのであろう言葉を補填したものだ。

恥ずかしいな、と思った。
彼は、不合格となり「恥をかく」自分を許容できなかったのだろうが、僕は

「恥をかく事を厭った彼の薄っぺらくて幼いプライドが恥ずかしい」

と感じてしまった。

人は知らない事や不得手なことがあって当然。
それを克服したり、あるいは「できないこと」であることを明らかにして別の道を模索したりしていく道程を「人生」というのだと思う。

ある年齢を超えたら、歳下の人に

「コレ、どうなっているのですか?教えてください」

と教えを請うことができない人は、立ち腐れると思う。
知ったかぶって「わかる」と言うのも、わからないものを「そんなもの」と斬って捨てるのも、どちらも危険なメンタリティだ。
特に、曲がりなりにも技術職である僕たちにとっては。
自分をアップデートしていく過程で、アタマぶつけたり痛い思いをしたりして覚えていくのは、何歳になろうと変わらない。
最悪にカッコ悪いのは、「恥をかく事」ではなく「恥をかく事を厭う」事だ。
無様を晒してでもトライすることから逃げ、見え見えの嘘で作った透明な壁に逃げ込んだ。
部長が「逃げた」事を、みんな知っている。多分、部長自身も「逃げた事が露見していること」は、さすがに分かっているだろう。
カタチとしての言い訳が立つならば、逃れようのない恥をかくことよりも、彼にとってはマシだったのかもしれない。

「どんな失敗をしてもいいが、失敗を厭う失敗だけはしてはいけない」

と、僕がリスペクトしているとある人が言っていた。
僕もそう思う。
そして、かくべき時にかいておかなければいけない恥から逃げると、余計恥ずかしい思いをすると思う。

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